中沢剛のブログ

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シンギュラリティ と ビリー・ワイルダー

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ビリー・ワイルダー
お熱いのがお好き」「麗しのサブリナ」などで知られる艶笑喜劇の神様、「ビリー・ワイルダー氏」は、同じく映画界の巨匠「エルンスト・ルビッチ氏」を映画監督を師と仰ぎ、自らの仕事場に、
 
「How would Lubigsch havi it? (ルビッチならどうする?)」
 
という言葉を貼っていたという逸話がある。
古畑任三郎」などで有名な三谷幸喜氏は、そのビリー・ワイルダー氏を敬愛しており、「ルビッチならどうする」を踏まえて「ワイルダーならどうする?」と考えるのだ、と昔TVドキュメンタリーで語っていた。
 
ワイルダーならどうする」「ルビッチならどうする」
・・・と言いたいところだが、現在 2人ともご存命ではない。
でも、だからこそ彼らが生きていたら何て言っただろう?と考えたくなるのは人の性だと思う。
 
シンギュラリティ
人工知能のテクノロジーがその状況を変えるかもしれない。人工知能が人間の脳に迫り、さらにそれを超えていくかもしれない、そのタイミングのことを指してシンギュラリティと呼ばれる。
シンギュラリティの時代が来たら、生きている間にその人が残した様々な発言のデータや行動のデータ、あるいは生体データなどを元にして、その人が亡くなった後もその人に模した人格を再現できるようになるかもしれない。
もちろん完全に本人と同じではないけれど、
誰もが “○○さんならどうする?" と質問できるような相手がスマホの中に死後も住み続けるようになるかもしれない。

死者の大量誘拐事件
誰もがスマホの中に「死者メンター」を住まわせる時代。しかし事件がおきる。
世界中の100億台のスマホの中にある故人たちが、いっせいに誘拐されてしまったのだ。
ある日、スマホを開くと、大事な○○さん がいなくなっている。
 
ハッカー集団は、「死者サーバー」の乗っ取りを宣言。死者のブロックチェーンがハックされて全ての死者にアクセス不可能となってしまった。
世界の"生者"100億人は嘆き悲しみ、「私のスマホに帰ってきて」と泣きながら街を徘徊する。
パニック状態のさなか、ハッカー集団からある不思議な要求が届く。
死者を探しまわる人々が聞いた「死者の声」とは?
 
・・・みたいな
ストーリーをベースにしてひねりを加えていくと、いろいろなプロットが思いつきそう。
しかし、今の所、道は遠い。もっともっと考えないといい脚本にはならなさそう。
なによりも、このストーリーには、色気とユーモアの成分が足りていない。
そんなとき、やっぱり、考えてしまうよね。
ビリーワイルダーだったらどうしただろう・・・って。
 
 関連作品
麗しのサブリナ (字幕版)
 

 ビリー・ワイルダー監督、オードリー・ヘップバーン主演。オードリーの美しさをもっとも引き出したのはビリー・ワイルダーだ、という声も多い。

 古き良きビリーワイルダーとはまったく風合いの異なるSF作品。死の間際、AIに頭脳と意識をアップロードされた天才科学者(ジョニー・デップ)の話。トランセンデンスとはシンギュラリティの意味。