面影とロボット
家庭の中にロボットが入って、おばあちゃんの会話相手になって、おばあちゃんとの会話からロボが成長するという、そんな時代は割とすぐ来るかもしれない。
もし、そんな時代が来たら、おばあちゃんが亡くなった後、僕らはそのロボを果たして捨てることができるだろうか? それにはかなり高い心理的なハードルがあるだろう。
でも、もし捨てれずに家庭内で何世代にも渡って存在したらどうなるか。その家庭の匂いの染み付いた、誰よりも家庭的な存在になるかもしれない。
その家に生まれた赤子が初めて笑った時、ロボが言う。
「この子の笑顔は、ホント、ひいおばあさんとそっくりだよ。きっと美人になるね。」と。
木登りで怪我をした息子に、ロボが言う。
「ひいおじいさんも同じ木に登って落ちて泣いてたよ。でもその時はこんなに高い木じゃなかったけどね」と。
二度と戻らない日々の美しさ。ロボの古いスピーカーから発音される先祖の面影。
英語学習用に >> 英語版はこちら